車いす競技のトップアスリートらが使用する「EXERACER PRO」
iRC TIRE 井上ゴム工業株式会社では、長きに亘り、パラアスリートの応援を行ってきました。
国枝慎吾選手もその一人で、若き高校生の頃から応援を続けて来ました。
国枝選手が愛用しているタイヤが、「EXERACER PRO」。
2020年に大きくリニューアルしたこのタイヤには、車いす競技に求められる
「進む、曲がる、止まる」という基本性能を追求し、様々な技術を注ぎ込みました。
従来モデルを15%上回る「グリップ力」は、急なストップモーション、急旋回を行うことを容易にします。そして目標に向かって一瞬でも早く進む為に、「転がり抵抗」も7%削減。
この2点は、例えば車いすテニスにおいて必要な、ネット際への猛ダッシュのスピードを上げ、相手より大きなアドバンテージを奪うことを可能にしました。
さらに、内部構造を見直し、ケーシングを60TPIから110TPIと細い糸を多く入れる構造により、「耐摩耗性」は36%向上。
これにより、「長く使うことができる」「パンクしにくい」という、最高の車いす競技用タイヤが誕生した。
車いす競技に最適な日本製の”赤いタイヤ”は、今や国境を越え、世界中の様々なパラアスリートたちに採用されています。
試行錯誤を繰り返すのが、開発者の本分です。
- 弊社BCタイヤ開発責任者 常国 冬広-
車いす用タイヤの開発に、20年以上携わっているのが、iRC TIREの常国冬広氏。常国が重視する性能は、一押しで軽く進むことができ、ピタッと止まれる俊敏性だ。
しかしそう簡単に思い描いたモノが作れるわけではなく、10本の試作品から1本でも合格が出れば上出来の世界だ。
「トライ&エラーが私の開発スタイル。地味かもしれませんが、ひらめきや思いつきで試すようなことはしません。でも、そうは言っても、過去の経験や知識では推し量れないものが、車いすテニスにはあります。タイヤサイズひとつとっても、これが正しいという理論はまだ確立されていない。未知の世界だからこそ、挑戦のしがいがありますね」。
経験とノウハウを駆使し、国枝選手とともに車いす用タイヤの底上げを担ってきた職人は、「人間の感覚はとても繊細。だから最終的には、国枝選手の感応評価で仕様を決めています。つまり、開発者のベストが絶対とは限らないんですよ。」と言って笑った。
トップアスリートを頂点にしたタイヤの進化と新技術の普及。それを支えているのは、表舞台には出ない、開発者の真摯な取り組みにほかならない。
<iRC TIRE車いす用タイヤについて>
・車いす競技専用・・・EXERACER PRO(エクセレーサ― プロ)
・舗装路、土、砂利、雪、様々なアウトドアシーンに・・・EXERACER CROSS(エクセレーサ― クロス)