小笠原選手、エクステラジャパン丸沼大会で3位獲得!


「世界チャンピオン参戦」こうインフォメーションされ浮き足立った。
毎年丸沼には世界でトップ10に入るような強豪が参戦していたが2010年の世界チャンピオンが参戦とはワクワク感が相当にあった。
コンラッド・ストルツ(南アフリカ)は元トライアスリートで2度のオリンピック出場、エクステラでは4度の世界チャンピオン、昨年ITUが初めて開催したクロストライスロン世界選手権(いわゆるエクステラ)でも優勝。
ちなみに世界最大の自転車レースであるシーオッタークラシックではクロスカントリープロクラスで8位という成績がある。


初夏に起こした怪我の経過が思わしくなく、満足のいくトレーニングが出来ないまま迎えたエクステラ丸沼。2日前から現地入り、コースが変更になったランニングから試走を開始した。走り難い湖畔のガレ場が伸び、その後のロープセクションではより長くなって、更に走れないキャンバー区間が追加された。トンネルも入ったりとランニングのコースは世界屈指のアトラクションとなった!!次の日はバイクへ。コースは同じレイアウトだがトレイルは1日たりとも同じという事は無い、なので慎重に試走をしコースを覚えた。
午前中から講習会の開始、講師という事で初心者に3種目の手解き。エクステラの中でも1番時間の長いバイクには特に時間をかけて指導、その後はラン、スイムと続き最後はミニエクステラを行って終了。長い1日でした。


雨も止み当日は曇り~晴れ。コースに問題は無い、問題なのは自分の身体だけだ。水泳は1、5キロを20分切り目前まで来た、ランも5キロを15分台目前まで来た、しかしそれが崩れてしまったので経験でカバーしていくしかない。12時10分定刻にスタート。最初は1200Mのスイム、標高1400Mとあって呼吸が非常に苦しい特殊なスイムだ。良い感じで第1ブイを回った、順位は5位ほどか。このままの位置をキープしたいが徐々に前のプロの集団から遅れていく、このもどかしいのが何年も続いていたが今年は遅れ方がゆっくりで、多少の余裕もあった。2周のスイムを5位で終えてトランジットへ。平衡感覚が狂っていてフラフラしながらウエットスーツを脱ぎ、シューズを履いてバイクスタート。先頭とは1分45秒の差、背中が見えれば何とか食らい付きたい・・しかしその願いも空しく身体は動いてくれない、最初の2度の登りで先頭を確認したもののすでの若干の差が開いている、湖畔に出てペースアップをしたいが雨の影響で路面は重く進まない、こうなってくると身体の差が顕著になってくるので不安も募る。湖畔を終えてペンション街で先頭と4分差だと聞く、この細かなアップダウンで乗り降りの多い場所で4分だとは結構へこんだ。。。しかしへこんでても何も始らないのでこれから向かえる23分ほどの長い登りに備えて補給と集中。やはり登りでも身体は良い動きを得られないがスピードは思ったほど遅くない、登りの後半でスピードで言えば2キロほど落ちてしまったが何とか耐えて下りに入った。


下りは負けないはずだ、少しでも詰めたい思いからブレーキを開放して攻めた、そのお陰でパンツを引っ掛けて破ってしまってお尻がペロン!と、そこで少し冷静になり無理はいかん!と。
再度、湖畔に出て前を追うが見えてこない2人。最後の2度の登りでアナウンスからかすかに「先頭が~」と聞こえてきた、5分は離れている事に気が付き「くそ~」と意地になって登るがペースはそんなに変らず。。トップと6分49秒差の3位でランへ。 ランは前回までのコースよりハードになっているが最初から突っ込んでいかないと先頭に追い付くどころかどんどん離されてしまう。湖畔のガレ場はバイク後の足では素早い左右への動きがぎこちないが5分もしたら慣れてきてスパパパパと足の置き場を見極めて忍者のように進んでいく。4位に付けるイギリスのMichael Hiscottはランが非常に速いので後からの追い上げも気になった。
ロープセクションではもろに体力勝負、周りに選手はいないので自分が速いのか遅いのか見当が付かないが今出来る100%で登りトラバースし落ちるように下って岩のセクションへ、車ほどの大きさの苔生した岩の上をピョンピョンと飛んでいく、足を滑らせたら大怪我するだろう。しかし飛んでいくのが一番速い。下った分を登りトンネルをくぐってアスファルトへ、束の間のハイスピード区間を終えたら直登の沢登り、この区間が非常にキツいが今年は短くなっているので何とか走って登り切って同じく沢下り。


再度アスファルトに出る、2%程の下り勾配なのでスピードに乗りフットポッドの数値は3分15秒~20秒/キロを表示、2周目に入って行くときにトップとの差を知らされた、解っちゃいたが更に離れていると知り、何となくタメ息が出た。


2周目になると後続の選手が増えるので抜いて行く、抜き際に僕と知って追走してくる選手もいるのでカッコ悪いミスはおかせない、最速に最短で走り去る姿だけを見せないといけない。チャンピオンの宿命か。選手が見当たらない区間ではペースが落ちてきてしまっているが、今やらねばいつやる!と奮起する。靴下は履かないので石や砂利が靴に入って普通は痛いが、レースの時はそれどころじゃなく気にならない、靴下を履く10秒が惜しい。最後のアスファルトは800M程、持てる体力を全て使ってゴールまで追い込んだ。そして3位でフィニッシュ。 優勝のコンラッドとは9分20秒、2位のウィル(USA)とは8分差。世界は遠いな~。
でも今年も存分に楽しめ、自分を表現できた。そして自分では納得がいっていないが日本チャンピオン5連覇を達成。 選手で監督でコーチという意味の解らない中で戦い続けているエクステラだが、エクステラで学んだ事はコーチとして動く時に非常に役に立っている。
今後も地球で生きている事を全身で感じられるエクステラを本気で楽しんでいきたい。


装着タイヤ・・iRC F&R ミトスXC チューブレス 26x2.25 2.0気圧使用