【2025/11/10】<来社レポート>車いすテニスプレーヤー 船水梓緒里選手 インタビュー
2025年11月、iRC TIREがサポートする車いすテニスプレーヤーの船水梓緒里(ふなみずしおり)選手(LINEヤフー所属)がiRC TIREの本社にご訪問頂きました。
選手ではなく、運営側として参加された“浜松ウイメンズオープン2025”で得られた競技を支えるという新しい視点でのエピソードや、フォアハンドの握りを大きく変え、打ち方も見直してパワーを出せるようなスイングに改良中であるといったプレースタイルの研究についてもお話しいただきました。
【船水選手、2025年OSAKA OPENで見事優勝!】
2025 年のトピックスとして、OSAKA OPENで見事優勝を果たしました。
過去2年間は肩の怪我に悩まされ、今年1月の全豪オープンに出場されてからは治療に専念。打ち方に負担がかからないように修正を図り、見事に優勝されました。

【船水梓緒里(ふなみず しおり)選手 プロフィール】
2000年11月8日、千葉県我孫子市生まれの25歳。
中学生の時に海での事故により、脊椎を損傷し、車いす生活となる。
2016年より本格的に車いすテニスを始める。
わずか2年で世界国別選手権のジュニアクラス日本代表に選出され、その後2018年8月にはジュニア世界ランキング1位を獲得。
Instagram: @shiori_funamizu
船水選手はiRCの車いす競技専用タイヤ【EXERACER PRO RISE】を用いて試合に臨まれています。
タイヤは持ち運びに優れ、ラケットバッグと一緒に持ち歩けるところが良い。とお褒めの言葉を頂戴いたしました。

【船水選手 インタビュー】
【質問1】2025 OSAKA OPENで優勝を成し遂げられていますが、そこに至るまでの取り組みを教えてください。
「23、24年と肩の怪我で悩んでいて、25年の1月の全豪オープンに出てから肩の治療に専念しようと決めました。
5月末に幹細胞移植という治療をして、3カ月ほどテニスをせずにリハビリと治療に集中しました。
肩の腱板がひとつ切れてしまっているのでそこに負担をかけないようなトレーニングと打ち方の修正を行いました。大会は短くても4日間連続であり、長いと6日間続くので、4日連続でテニスを1年以上できていなかったので大会に出るかすごく不安があったのですが、この打ち方がいいのか悪いのか大会で試さないといけないと思い出場を決めました。
優勝はできましたが、まだまだ修正は必要だなと思っています。」
【質問2】トレーニングについて大切にされていることを教えてください。
「怪我にずっと悩まされていたここ数年だったので、怪我をしないための体づくりを大切にしています。
パリの選考までストレス負荷が高く、年15試合以上出場していたので、トレーニングの時間がなかなか集中的に取れていませんでした。
テニスは孤独なメンタルスポーツで、心理的に追い詰められてしまい、心から楽しいと思ってトレーニングができていなかった時期もあります。
そこで、今は異種競技の選手と一緒にトレーニングできる環境に身を置くようにしています。
様々なアスリートの方と関わらせていただいて、仲間が増え、一緒に取り組み気持ちを上げたりできるようになりました。」
【質問3】来年、車いすテニス競技生活10年を迎えられますが、10年前と今で変わったことを教えてください。
「思っていたより難しい、昔はもっと早くトップになれると思っていました。
ジュニアで世界一になった時には、そこに満足してプロでテニスをしようとは思っていませんでした。
もっと簡単に活躍し、もっとうまくなれると思っていましたが、今は(テニスを)やればやるほど難しさを感じます。
その時は勝てば、結果が出ればよかったですが、今は内容を突き詰めて練習しているので、練習したことが試合でできなかったことの方が悔しい、試合で勝って嬉しいよりも内容で悔しいことがあります。結果に対しての喜び方と悔しさが大きく変わったなと思います。勝ったという結果に前ほど喜びや満足を感じられなくなっています。」
【質問4】iRC TIREやサポーターへのメッセージをお願いします。
「トレーニングの一貫としてトライアスロンの選手と出会い、ハンドバイクをやるようになりました。山に行ったときに、(iRCサポートのインフルエンサー)YUKARIさんと一緒に
トレーニングしました。
これはすごくいい出会いであり、これまで車いす関連しか分かっていなかったので、ロードバイクのことを知り、iRCから色んな世界が広がりました。
アスリート間の繋がりも大切にしたいなと思っていますし、そこからつながるコミュニティーもあったので大切にし、これからも活動していきたいです。
広い世界を見て、新しい知識を得て、これから視点を変えて活動をしていきたいと思います。」





iRC TIREは、今後も船水選手のご活躍と、車いすスポーツの普及を応援してまいります。


